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【インタビュー企画】トビタテ!留学JAPAN|#2 1年越しの再挑戦

2026.04.17

憧れの先輩の背中を追って:1年越しの再挑戦


――まずは、諸井さんがトビタテに応募しようと思った理由やきっかけを教えてください。

諸井: 私が最初に応募を考えたのは高校1年生の時でした。当時は受験というものに対して少し焦りを感じていた時期で、「国際関係の仕事に就きたい」という夢もありました。大学受験に向けて、自分の中に何か大きな武器、海外経験という強みが欲しいと思って何かを探していたんです。

そんな時に、たまたまトビタテ8期生の学校の先輩が、校内で説明会を開いてくれました。その姿にすごく憧れたんです。トビタテという肩書きもそうですが、何より自分の決意や思いを堂々と話す先輩がかっこよくて。

――その説明会での先輩の姿が、諸井さんに刺さったんですね。

諸井: はい。先輩は文部科学省で代表として登壇されたり、色々なメディアやチラシにも出ていて、とにかく輝いて見えました。「尊敬できる先輩が経験してきた道を、私も辿りたい」という思いが強かったです。

ただ、1年目は自分自身がすごく忙しい時期で、応募に間に合わなかったんです。でも「2年目には絶対に計画を進めて、完璧な状態で受かりに行こう」と決めていました。それで10期のタイミングで応募して、合格することができました。

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「お風呂掃除」で見つけた、一生飽きない探究テーマ


――諸井さんが第10期に応募した時の、探究テーマを教えてください。

諸井: テーマは「温泉を通じた国際交流の深化」です。

――「温泉」というテーマに辿り着いた背景には、何があったのでしょうか?

諸井: 実は、応募の1〜2ヶ月前までテーマが決まらずに悩んでいました。トビタテに応募するにあたって、「自分が一番興味を持って、飽きずに一生やっていられること」をテーマにしたかったんです。

でもある時、家でお風呂掃除を頼まれて洗っていたら、「そういえば自分、温泉が大好きだな」って気づいたんです!

小さい頃から家族で温泉巡りをするのが日常で、お湯に浸かるという行為が大好きでした。そういう自分の「好き」と「社会問題への貢献」を繋げられないかと考えた時に、温泉の可能性に思い至りました。

――「温泉」と「国際交流」がどう繋がったのですか?

諸井: 日本には「裸の付き合い」という言葉がありますよね。お風呂の中ではみんな裸です。服を脱いでしまえば、視覚的にわかる身分の違いや言語の違いっていうのが、ある意味で取り払われる。同じ湯に浸かって同じ思いを共有する、そんなシチュエーションの強さを活かしたいと思ったのが原点です。

イタリアを選んだ理由:世界最古の温泉を求めて


――国をイタリアに決めたのはなぜですか?

諸井: 1つは、単純に私自身がイタリアに行ってみたかったからです(笑)。ご飯も美味しいし、古い歴史もありますし。

2つ目の理由は、温泉の歴史を調べた時に「世界で初めて温泉が生まれた場所に行きたい」と思ったからです。紀元前4世紀という本当に昔から、イタリアには温泉文化があるんです。「温泉マニア」として、これはもう行くしかないなと。

――出発前には、どんな準備をしましたか?

諸井: 私が一番大事にしていたのは、「縛られない自由な留学」という軸です。大手の留学エージェントなどのパッケージプログラムだと、時間の制約やルールの関係で、自分のやりたいことが100%できないんじゃないかという疑問がありました。

そこで、周りの信頼できる先生を通じてイタリアの語学学校を自分で見つけ、そこが提供しているホームステイ先を紹介してもらいました。あえて自分で全部組むことで、自分の理想を具現化できると思ったんです。

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実は私、結構リスキーな性格で。現地の電車の時間とかもあえて詳しく調べずに、「この町まで行けるか」ということだけ確認して飛び込みました。完璧な計画なんて存在しないし、新しい状況の中で自分がどう考えて動けるか、高校生の今、自分の限界を試してみたかったんです。

ローマ、フィレンツェ、ミラノ。3都市を駆け抜けた21日間


――現地での活動について詳しく教えてください。

諸井: 21日間の留学で、1週間ずつ「ローマ」「フィレンツェ」「ミラノ」と都市を変えて生活しました。色々な場所に行きたかったので、3都市に系列校がある語学学校を選んで通いました。

――探究テーマに沿った活動としては、何をされましたか?

諸井: ローマには「カラカラ浴場」という、当時最大と言われた温泉遺跡があります。温泉の歴史を深掘りするためにそこへ行き、情報収集をしたり動画を撮ったりしました。たまたま遺跡で補修作業をしている方がいたので、「今、何をしてるんですか?」と思い切って話しかけて、短いインタビューをさせてもらったりもしました。

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フィレンツェやミラノでは、近隣にある大きな天然温泉や、観光客が集まる温泉施設に電車やバスを使って足を運びました。

――実際にイタリアの温泉に行ってみて、日本とのギャップはありましたか?

諸井: 最大のギャップは「水着」ですね!日本の温泉は全裸が基本ですが、イタリアは場所によっては水着着用が必須なんです。それを知らずに「全裸で入れる」と思って行ったら、「水着がないなら入れないよ」と返されてしまって。あれは「やらかした!」と思いました(笑)。

あとは、街の「リアル」も体感しました。ローマの華やかな中心部からたった2〜3km離れるだけで、そこにはスラム街のような場所があって。タクシーの運転手さんに「治安が悪いからそこへは行くな」と言われた時、教科書を読むだけではわからない”世界の現実”を肌で感じました。

また、フィレンツェにて訪れたモンテカティーニテルメは、温泉を飲む飲泉療法で有名でした。

温泉の味は硫黄をイメージしていたので、しょっぱいのかな?と思いながら実際に試してみると、無味無臭でぬるっと喉に入っていく水といった感じでした。

個人的には美味しいとは感じませんでしたが、印象強く残っている留学中のギャップだと思います。
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宿がない! 涙と孤独を乗り越えて


――留学中に特に印象に残っているエピソードはありますか?

諸井: 良いことも大変なこともありました。一番のピンチはミラノでの宿泊です。

ミラノでは語学学校で宿が手配できなかったので、自分でホステルを予約したんです。でも、いざフロントに行ったら「ミラノの法律で16歳以下は泊まれない」と言われてしまって……。目の前でその日の宿がなくなるっていう、本当に恐ろしい状況でした。

――それは焦りますね……。どうやって解決したのですか?

諸井: 日本の両親に連絡して、とにかく色々な手続きを踏んで、書類を書きまくって……。最終的には「今回はいいよ」と許可が降りて、なんとか5日間泊まることができました。ミラノは治安が良い場所ばかりではないので、夜間に未成年で放り出されるのは本当に怖くて、冷や汗が止まりませんでした。

――”心が動いた瞬間”についても知りたいです。

諸井: 留学5日目くらいに、ローマの街が見渡せるお城の屋上に登った時です。目の前に広がる景色を見た瞬間、トビタテに応募した時からのことが一気に蘇ってきたんです。

「あの時に考えていたプランが、空想じゃなくてちゃんと実現に変わったんだ」と思ったら、自然と涙が出てきて。夢を叶えられたという達成感がすごかったです。

Unnamed (9)でも、その後に孤独を感じた時期もありました。語学学校のクラスメイトが30〜40代の方ばかりで、友達がなかなか作れなかったんです。学校が終わるとすぐ家に帰って寝てしまうような、ダウン気味な日もありました。そんな時に、イギリスに留学していたトビタテの仲間と連絡を取り合ったんです。「今日何やった?」って話せるだけで、すごくエナジーをもらえました。仲間の存在は本当に大きかったです。

応募を迷っているあなたへ:「人生を変える」のは、自分の一歩


――帰国後、今後はどんなことにチャレンジしたいですか?

諸井: イタリアで得た知識を自分だけで終わらせたくないです。私の地元は外国籍の方がとても多いので、近くの銭湯の方と協力して「国際交流の日」を作れないか、今コンタクトを取り始めています。自分の探究テーマを実際にイベントとして形にしていきたいです。

あと、トビタテの仲間たちとは「いつか世界一周留学プロジェクトをやりたい」って話しています。ただの旅行じゃなくて、各地の社会課題を解決しながら進むような膨大なプロジェクト。無謀かもしれないけど、この仲間とならやれる気がしています。

スクリーンショット 2026 04 17 午後12.04.04――今、トビタテへの応募を迷っている高校生にメッセージをお願いします。

諸井: 私は2025年から2026年へ、年が変わる瞬間に「あぁ、今年の夏は人生を変える夏だったな」と噛み締めながら年越しをしました。

トビタテは、決して大げさではなく人生を変えてくれます。新しい国に行った実績だけでなく、コミュニティに出会えて、最高の仲間に出会える。それらを一気に叶えてくれるプログラムは、他にはないと思います。

書類審査の過程は長くて大変だし、寿命が削られるような思いもします(笑)。でも、書類に書く文字の一つひとつが、自分の夢を具現化していく過程なんです。落ちるか受かるかを考えるより、その過程自体が「自分の理想を具体的にするいい時間」になります。

私にとってトビタテは、「かけがえのないプログラム」です。

迷っているなら、ぜひ突き進んでください。書類を書く一歩一歩が、すでにあなたの夢を叶える道のりになっています!