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【インタビュー企画】トビタテ!留学JAPAN|#1 ボランティアを「社会への入り口」にしたい

2026.04.17

留学のきっかけ:ボランティアを「社会への入り口」にしたい

ーーまず、今回のトビタテ10期に応募しようと思った理由を教えてください。

森さん: 私には、中高生が小中学生に対して学習支援を行う「関西チルドレンケアーズ」というシステムを社会に根付かせたいという構想があります。中学生の時からボランティア団体を立ち上げ、京都の子ども食堂や学童施設で活動してきたのですが、そこで感じたのは「ボランティアに対する壁の高さ」でした。

多くの日本の子どもたちがボランティアを「特別なこと」と捉えて、高いハードルを感じています。それをどうすれば解消できるのか。ボランティアが生活の一部として日常に溶け込んでいるアメリカの「ボランティアスピリット」を肌で感じ、日本に還元したいと思ったのが応募のきっかけです。

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ーー「関西チルドレンケアーズ」という構想、詳しく聞かせていただけますか?

森さん: 学習支援というと、退職された高齢の方が行うイメージが強いですよね。でも、年齢の近い中高生が教えることで、子どもたちにとっては「あのお兄ちゃん、お姉ちゃんみたいになりたい」という憧れになり、学習意欲が増します。教える側の中高生も、活動を通じて驚くほど成長するんです。私はこれを、共に学び、共に育つ「学びの共創モデル」として広めていきたいと考えています。


こだわったのは「エージェントを使わない」オリジナルの留学

ーー今回の留学テーマと、なぜアメリカを選んだのかを教えてください。

森さん: テーマは「アメリカのボランティアスピリットを、その背景ごと体感し学ぶ」です。アメリカを選んだ一番の理由は、ボランティアが日常化している現場を見たかったから。

そしてもう一つ、私はあえて「留学エージェントを通さない」ことにこだわりました。トビタテ生には既成のプランを利用する人も多いですが、私は自分の足でアメリカの大学にあるボランティア団体を訪ね、自分の将来のキャンパスライフを想像してみたかったんです。

ーー自力での準備は大変だったのではないですか?

森さん: 正直、めちゃくちゃ大変でした(笑)。ホームステイ先も自分で探したのですが、出発直前にキャンセルになって航空便を取り直したり……。でも、過去に参加したクイズ大会の縁や、財団の説明会で知り合った現役のイェール大生に相談したりして、なんとか滞在先を確保しました。

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ボランティア先も、現地の大きな団体に自分で直接交渉しました。未成年は保護者の同伴が必要な決まりだったのですが、「日本から一人で学びに来たんだ」と熱意を伝えて、特別に一人で参加させてもらえることになったんです。


衝撃を受けた光景:支援する側も、される側も「同じ笑顔」

ーー留学中、特に印象に残っているエピソードはありますか?

森さん: イェール大学のすぐ横にあるスープキッチン(炊き出し施設)での光景が忘れられません。そこでは、支援する側もされる側も、同じ笑顔で一つのテーブルを囲んでご飯を食べていたんです。

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日本では「支援する側」と「される側」に明確な境界線があることが多いですよね。でも現地の方に話を聞くと、「ここはただ食事を提供する場所ではなく、孤独な人の拠り所であり、ボランティアにとっても家庭や学校以外の『新しい居場所』なんだ」と言われました。コミュニケーションそのものが目的になっていることに、強い衝撃を受けました。


留学を経て気づいた「日本の福祉」の強みと、これからの夢

ーー留学前と後で、考え方に変化はありましたか?

森さん: 以前は「アメリカの形こそが正解だ」と思い込んでいました。でも、現地のリーダーにこう言われたんです。「日本は社会制度や福祉がしっかりしているからこそ、ボランティアが入り込む余地が少ない。アメリカは制度が不十分だからこそ、自分たちでやるしかないんだ。日本の完璧に近い社会制度は誇るべきだよ」と。

この言葉にハッとさせられました。文化や歴史が違うからこそ、ボランティアの形も違っていい。日本の優れた制度を活かしつつ、アメリカのような「居場所としてのボランティア」を融合できれば、もっと良い社会になるはずだと確信しました。

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ーー今後のアクションや、将来の展望を教えてください。

森さん: まずは「関西チルドレンケアズ」を、行政や大学生とも連携した持続可能な仕組みとして形にしたいです。

そして将来は、政治家になりたいと考えています。私が作りたいのは「子どもが自分の国を誇れる日本」です。それは国が完璧だから誇るのではなく、課題があっても自分が社会に関わり、支える側として居場所を持てる。そんな経験を通じて自然と生まれる誇りを、次世代の子どもたちに感じてほしいんです。


トビタテを考えている高校生へのメッセージ

ーー最後に、応募を迷っている高校生にメッセージをお願いします。

森さん: 一番大事なのは、自分の中に「問い」を持つことだと思います。細かい準備やテクニックよりも、「自分はなぜこれに興味があるのか?」「何を知りたいのか?」という自己分析を深めてみてください。

心から興味がある「問い」があれば、たとえ準備が大変でも、現地で困難にぶつかっても、必ず乗り越えられます。行動は後からついてきます。まずは自分の心の中にある「ワクワクする問い」を大切にして、一歩踏み出してみてください!