【インタビュー企画】トビタテ!留学JAPAN|#5 世界を目指した理由
2026.04.17

1. 関西から出たことのない僕が、世界を目指した理由
——まずは、トビタテに応募しようと思った理由やきっかけを教えてください。
岸本: まず、とにかく「海外に行きたい」という強い思いがありました。僕の学校には帰国子女がいたり、旅行で海外によく行く子がいたりしたのですが、僕はこれまで関西から出たことも、関東に行ったことすらもなかったんです。周りの話を聞くうちに、「海外ってどんなところなんだろう?」という好奇心がどんどん膨らんでいきました。
それと、中学生の頃からSNSで海外の投稿も見ていて、遠いけれど近い存在に感じていたんです。
——ご家族の反応はどうでしたか?
岸本: 最初、家族に「旅行で行きたい」と相談した時は、英語が話せないことや治安への不安から否定的な反応でした。でも、トビタテというプログラムを知り、「ここに受かれば絶対に行けるし、親への説得力も持つはずだ」と確信して応募を決めました。
2. 探究テーマ:なぜアメリカは「競泳大国」なのか
——今回の留学の探究テーマについて教えてください。
岸本: テーマは「アメリカはなぜスポーツ競泳で世界を圧倒できるのか、日本と何が違うのか」です。アメリカはパリオリンピックでもメダル獲得数が非常に多く、ほぼ全ての種目で決勝に進出しています。その強さの秘密を、現地のスイミングクラブでのトレーニングや、チームメイトとの会話から比較・探究しようと考えました。
——場所としてシリコンバレーを選んだ理由は?
岸本: 変化が大きく、世界を動かしている場所だということに魅力を感じたからです。また、スタンフォード大学と連携している強豪チームがあり、治安も非常に良いという点も決め手になりました。
3. 準備の裏側:エージェントなし、体当たりで掴んだ「宿と練習場所」
——留学準備でこだわったポイントはありますか?
岸本: 「エージェントを使わない」ということに徹底してこだわりました。自分で計画を立てられるのがトビタテの魅力ですし、初めての海外だからこそ、自分で挑戦することに意味があると思ったんです。
——自力でのアポイント、大変だったのでは?
岸本: はい(笑)。第一志望だったテキサスのクラブには断られてしまいました。でも諦めずに、次はスタンフォード近くの強豪チーム「パロアルト・スタンフォード・アクアティックス」に連絡したところ、とてもウェルカムに迎え入れてくれました。
一番苦労したのは宿泊先です。出発1ヶ月前になっても決まらなくて……。ダメ元で、以前アポイントを取っていたスタンフォード大学の睡眠研究所の西野精治先生に「滞在させていただけませんか」と相談したんです。すると、先生の奥様が日本人向けのシェアハウスを紹介してくださり、なんとか宿泊先を確保することができました。
4. 留学中の発見:水泳は「個人競技」じゃない?
——現地で印象的だったエピソードを教えてください。
岸本: 日本との一番の違いは、練習中の「声のかけ合い」です。水泳は個人競技だと思われがちですが、アメリカでは野球やバスケのように、練習中も「Let’s go guys!」「You can do it!」という声が常に飛び交っています。
特に印象的だったのは、ハードな100m×10本ダッシュの練習中に、一人の女の子が「We can eat lunch after this!(これが終わればランチが食べられるよ!)」と叫んだことです。その一言でみんなの気分が上がって。集団で強くなるという姿勢を肌で感じました。
——マインドの面でも変化はありましたか?
岸本: シリコンバレーで出会った人たちは、僕が夢を語っても決して否定しませんでした。「Yes, and(まずは肯定し、それからどうするかを考える)」の精神で、「君はどうしたいの?」「どうすればできるか一緒に考えよう」と協力してくれました。
また、同級生たちも「将来はこの大学で泳ぎたい」という自分軸をしっかり持っていて、コーチに対しても自分から積極的にメールを送ってアピールするなど、とても能動的でした。その姿を見て、大きな刺激を受けました。
5. 帰国後の展望:価値を「提供する」側として、再び世界へ
——この留学を経て、今後挑戦したいことは?
岸本: 将来的にはアメリカの大学でD1 Student Athleteとして活躍し、日本代表として世界で戦いたいと思っています。また、今回の留学では「学ぶ立場」でしたが、次は「価値を提供する立場」として海外に行きたいです。発展途上国などで自分に何ができるか、能動的に動いて何かを残せるような留学を大学生になったら実現したいです。
6. 応募を迷っている高校生へメッセージ
——最後に、トビタテへの応募を迷っている皆さんに一言お願いします!
岸本: トビタテは、「井の中の蛙」がキリンのように視野を広げることができる最高のきっかけになります。
応募は誰にでもできます。まずは、小さな文字を書く程度の小さな一歩で構いません。その一歩が、無限大に広がる世界に繋がっています。一歩踏み出すことで、自分でも気づかなかった新しいポテンシャルが見つかり、大きな自信になるはずです。